さて、映画『スイング・ホテル』関係の音源を聞いてきたけど
極め付けの1枚
タイミング良くセピアから昨年発売、年明け入手できたもの
2枚組のジャケットは『ホワイト・クリスマス』のようだけど
看板だけの『スイング・ホテル』も同居している
ディスクの方は混じることなく1枚ずつ
2枚目の①~⑱がサントラ、⑲~㉚が宣伝用のラジオ・プレビュー
スパイスというサイト、中島薫さんという方がこのCDを紹介
そこに、サントラには3種類あるということを日本語で分かりやすく書いていらっしゃる
曰く
1)スタジオにキャストを集めて吹き込み直したもの
2)事前に録音したもの(撮影では、コレに合わせて口パク)
3)ダイレクト盤はホントにフィルムの音のトラック
凄く納得できるんだけど
先のVJC盤にある2)と3)の間みたいな音源は何なのかな~
釈然としないままに聞いていく
泥沼の途中からはアマゾンプライムとシンクロで検証
① タイトルバックのテーマソング 1分15秒
② I'll Capture your heart
映画のサントラそのまんま
だけど、アステアのタップ音は入っていない
先のVJC盤だとそこは完全無音でマヌケな感じ
こちらはそのマを削って音楽として自然な感じに
してはいる【事前録音】ってことやね
③ lazy
こちらは劇中の効果音もふんだんに収録されている
【ダイレクト】
④ you are easy to dance with
ダンスド・バイ〜なんてライナーにあるけど
こちらもアステアのタップ音無し
不自然になるところは編集で詰めてある
それでも不自然だけどね【事前録音】
ライナーのマージョリー・レイノルズはバージニア・デイルの間違い
⑤ White Christmas
劇中、初めて歌うマージョリー・レイノルズを先導するビンクロの声も入っている
(VJC盤はなし)
【ダイレクト】と思いきや
パイプでベルを鳴らす音は入っていない
⑥ Happy holiday
ラストのチビッコが歌う声は聞こえない
その代わり、ビンクロとマージョリーのリフレインが映画より多いし長い
【事前録音】を撮影で変更?
⑦ Let's start the new year right
映画とシンクロで聞くと合わない
編集レベルじゃないくらい合わないぞ
劇中では、料理の用意をするシーン
音的にも、お皿なんかがカチャカチャ鳴ってる
⑧ You are easy to dance with
アステアのダンスシーン用
またまた無音あり【事前録音】
⑨ Abraham
この曲もシンクロで聴くと合わない
ビンクロからルイーズ・ビーバーズ(住み込み家政婦役)、
そしてマージョリー・レイノルズ(マーサ・メアーズ代)へと歌を回していく
映画でのビーバーズは子どもたちに歌いかけていて
ビンクロの合いの手は入らない
なのに、CDにはビンクロの合いの手が入っている
そして、
その合いの手が入るべきマージョリー・レイノルズの歌の時に
CDではビンクロの声は聞こえない【どのタイミングの音なのかな~】
⑩ be careful it's my heart
完全にシンクロするも
最後にハートを破って飛び出してくるときの音は入っていない
【事前録音】
⑪ I can't tell a lie
こちらも完全にシンクロするも
ジャズになるときのビンクロの掛け声と
アステアのタップ音は入っていない
【事前録音】
⑫ Easter parade
完全にシンクロ【事前録音】
⑬ say it with fire crackers ~ song of freedom
コーラス隊のセイ・イット・ウィズファイヤー・クラッカーズのイントロ部分
映画ではビンクロたちの会話を入れるため音量を下げている
CDの方は音量そのままに流れている【事前録音】
song of freedom
事前録音だとすると、不思議なところあり
CDではビンクロの歌は終わるのに
映画では戦争のシーンに合わせてビンクロの歌が再度流れている
先の2枚のCDのライナーでは喰い違うところがあるけど
録音・撮影が開戦前
戦況に合わせて事前録音を編集?
⑭ Say it with fire crackers
さすがにこの曲はアステアのタップ音、クラッカーが爆発する音が入っている
【ダイレクト】
⑮ Instrumental
2人のハリウッドでのダンスシーン
最後は20日と27日の間を行ったり来たりする七面鳥のカートゥーン
⑯ I've got plenty to be thankful for
劇中では、レコードとしてかかっているもの
そのレコードにビンクロがツッコミ入れるもんだから
ツッコミ無しバージョンは音楽的にスッキリ聞ける
【事前録音】
イントロでは「用意、アクション」のセリフ
歌の途中のパイプでベルを叩く音
最後にジム!と呼びかけるセリフが入っている【ダイレクト】
⑱ クロージング・メドレー
4人が揃っての替え歌
The End マークの後のキャストロールの音楽までを収録
⑲から㉙は、ラジオ・プレビュー
全部11トラック
ただし、㉙がクロージング・アナウンスメントのため10曲
LAZY と I've got plenty to be thankful for が省かれている
パーソネルは、パラマウント・スタジオ・オーケストラ
映画用の録音を映画の宣伝のために事前にラジオで流したんだろう
くらいに思っていたのに
さにあらず
ビンクロとアステアのお目当て二人にベティ・ローズ(知らない)を迎えての放送
二人が映画のプロモーションをしているので
役名ではなくビングとフレッド
軽い曲紹介とともに歌われるそれは
正規録音にはないリラックス感と
映像がないラジオを前提しての録音は
音楽として聞くのに最適、最高
⑲ ハッピー・ホリデーのコーラス
ビンクロが歌うのは一瞬
⑳ ビンクロのアナウンスでスタート
アステア、ベティ・ローズが加わる
アステアのタップのバックにはビンクロがはやしたてる声
ベティ・ローズの呼びかけはビングにフレッド
デッカ録音よりも弾けてる感じイイ
㉑ be careful it's my heart
ビンクロの歌は他と一緒だな~と1番が終了
そこにベティ・ローズが加わって、すぐにデュエット
デュエット、貴重じゃないか!
㉒ I can't tell a lie
歌の前に、フレッドの咳払いとは言えない位の咳払い
スタジオオーケストラだけの記載だけど女性コーラスと
㉓ easter parade
歌が始まる前のビンクロのMC
映画は祝日の歌、イースターについては昔からに曲を
字幕では飾りとなっているボネットは帽子の事かな
㉔ Abraham
こちらもベティ・ローズとのデュエット
この曲の後、長いアナウンス
収録されていないけど、コマーシャルがあった?
㉕ White Christmas
ライナーに詳細な事は何も載っていないけど
ディスコグラフィーによると、1942年8月26日のラジオ
となると、最古のWhite Christmas?
最後の辺りからスクラッチノイズ
ノイズはそのままに次の曲へ
㉖ Let's start the new year light
ベティ・ローズからスタート
セカンド・コーラスは促されてビンクロ
㉗ you are easy to dance with
アステアのソロも収録、イイね
㉘ song of freedom
㉚ クロージングでは、It's my heart のメロディーにのせての演者紹介
(スイング・ホテルで、オスカーのベスト・スコアにノミネート)
クロージングは、いつMy Heartのメロディーにのせてロバートエメットドラム
プロデュース、ボブ・フォッシー
(有名な振付師は1927年生まれ、違うヒトですね)
コロンビア・ブロードキャスティング・システム
最後には、ボーナスとして ㉚ ホワイトクリスマス
こちらもパラマウント・スタジオ・オーケストラと
ジョセフ・J・ライリーのコーラス
録音、出所不明