瓶具黒墨のCDは玉石混交

ビング・クロスビーのCDコレクションを整理を兼ねてアップしています

【CD】Holiday Inn ~サウンドトラック用であってフィルムのサウンドトラックではない?~

今回も " Holiday Inn " 

1990年アメリカ・VINTEGE JAZZ CLASSICS の1枚

ジャケットに The Original soundtrack sessions for とあるように

デッカへの録音ではなくサントラ(だと思っていた)

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が、アステアのタップ音があるべきところが無音であったりと

映像とシンクロしている音そのものでもないようだ

 

その点、しっかりと書かれているライナーはありがたい

が、詳しく書かれれば書かれるほど難解なものにも・・・

ホンヤクコンニャクでなんとか読み解くと

 

これはテープレコーダーがない時代の話

(テープレコーダーの実用は戦後のビンクロ

 ナチス・ドイツのモノを輸入して)

 

音楽シーンは

まず、78回転レコード(商業用かラジオ・トランスクリプション)へ吹き込み

 ※ このCDに収録されている " Count off "  となっているもの①②④⑤⑦

 

次に、スタジオでのリップシンク

 ※ この映画『スイングホテル』で必要ないものもあり

   (要は、音楽に合わせて歌わないもの)

   ・ビンクロの農場生活と重なる「レイジー

   ・感謝祭で七面鳥を食べるシーンでレコードとして鳴っていた I've got plenty~

 

最後に、ナレーションや効果音などを録音

 

最終的なものが出来上がると

第一弾のものはイレイスされる(破棄ではなく消去?)

 

それでも、ラジオ局へのプロモーション用ディスクとなったり

スタッフ、キャストへのお土産用として使われたものもある(?)

それがライナーで「※」が付いている③⑥⑨

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収録順は、映画の展開通り

ただ、1枚75分とフルに入っているも、

『ブルー・スカイ』との抱き合わせのためか

9曲しか収録されていない

 

また、このライナーでは

撮影及び録音が1942年3月から5月と

先の『ゴーイング・ハリウッド』とは異なっている

 

ボブ・クロスビーの楽団のメンバーがあるけれど

知ってる名前は、クラリネットのマティ・マトロックのみ

 

 

① 音楽が始まる前にカウントが入っている

そして、アステアがタップを踏んでいるところは無音

 

② こちらもカウントからスタート

こちらもアステアが踊っているシーンは無音

音だけで聞いていると、とてもヘン

バックのコーラスは " Male octet "

とても8人組には聞こえない

 

③ 音楽の前にラジオのアナウンス

その紹介では、ビング・クロスビーマージョリー・レイノルズ

でも、歌はマーサ・メアーズが吹き替えている

 

映画とシンクロで聞くと

映画の方にはある

初めてのマージョリー・レイノルズに歌詞を教えながら歌っているビンクロの声が

CDには入っていない

他にも、パイプで鈴を叩く音が聞こえない

などの相違点あり

 

終了時には「グレイト・ニュー・ソング」のアナウンス

 

④ カウントでスタート

映画シンクロで確認するも、そのまんま

が、最後の最後

チビッ子が ♪ ハッピーホリデー~

と、コーラスするシーンの音がなく、

きれいにビンクロとマージョリー・レイノルズのデュエットで終わっている

 

⑤ アステアのダンス・シーンでのインストルメンタル

歌がないとさすがに違いが分からない

でも、無音部分があるので、アステアのタップ音が入るんだろうな

 

⑥ ラジオ・アナウンスからの Be careful it's my heart

映画とシンクロでもピッタリ

音楽はアステアとマージョリー・レイノルズのダンスシーンに入る前で終了

 

⑦ こちらは2人のダンスシーン(の部分)を最後まで録音

よって、前半のアステアの歌、

後半のバロックとスウィングの嫌がらせダンスまでもれなく収録

 

⑧ 映画とぴったりシンクロ

 

⑨ ラジオ・アナウンスからの導入で映画とピッタリ

 

 

サントラレコード(CD)

映画を手元に置けない時代にはこれしかない

ビデオテープでも、目的の箇所に飛ばすのに、さんざん苦労

DVDなら、チャプター機能で一発再生

プライムでもあたりをつけて再生可能

そうなるとサントラを買う意味ってなんだろう?