デッカ時代のミルス・ブラザーズ
良いには良いが
ビンクロとのスリリングの展開が聞きたくなってくるのも事実
【日本(ドイツ直輸入盤)】要は、帯を付けただけのモノ
ピルツ・ジャパン株式会社 HI 8
CHARLY RECORDS Ltd CDCD 1071
Ⓟ1992
Ⓒ1992
解説・歌詞等なし
原題は、ビングス・ベストだけどベスト・ヒット(USA~のイメージかな?)
ジャケットは紙切れ1枚の廉価盤の極み
録音データを見ようとディスコグラフィーに当たったけれど
1992年発売には該当なし
① ビンクロのテーマソング「いつの日か君に」でスタート
音から、ブランズウィック録音
マトリックスナンバー37373Bで間違いないだろう
と思ってたら、うん?この録音2テイクある?
さすがに、その違いまでは聞いただけでは分からないぞ
② Sweet and lovely
音質も歌い方も、ズバリ30年代初頭のブランズウィック
改めて、ビンクロもこの頃はビブラート効かせてたんですね
1931年9月14日録音
この後の収録は全て録音順
この①②のみ、ひっくり返しての収録
やっぱり、テーマ曲はひとつ目に
③ ここが問題
いつものミルスとのダイナだと思っていると
侮ることなかれ!
ミルスのコーラスはそんなに変わらないんだけど
ビンクロは全然聞いたことない節回しで展開
また、コーラスに飛び込んでくるビンクロのスキャットも全然違うぞ~
と、なんじゃこりゃあ~の1曲
この時代、インターネットなんて便利なものなく
唯一の教科書は青木啓先生のレコードコレクターズ連載
もう1冊、ケン・バーンズのクロスビー・イヤーズもすでに持っていたけれど
どちらもテイク違いまでは載っていない
存在すら知らなかったものが、廉価版から飛び出してくる衝撃とともに
たまらない嬉しさは今でも記憶に残っている
1931年12月16日録音のテイク違いだが
このCDでは、盤起こしのチリチリ音が盛大
続く④ シャインはいつものミルスとの録音
1932年2月29日録音ではワン・テイク
⑤ Sweet Georgia Brown
前半のトランペットソロに続いて始まる歌は後半にかけて加速
スキャットで展開していくさまがカッコいい
1932年4月23日アイシャム・ジョーンズとの録音
⑥ cabin in the cotton
こちらも抑揚をつける如何にもなブランズウィック・スタイル
1932年5月25日録音
Cメロディ・サックスのフランク・トランバー参加
⑦ some of these days
リズムを刻むギターをバックにスキャットしまくるビンクロ
そのスキャット後のギターソロと
文句なしにカッコいい1曲
1932年5月26日録音
⑧ here lies love
一転してブルージーな曲調
途中、歌とも語りとも言えない懇願するようなところは
40年代のビンクロからは全く想像できない
1932年10月14日録音
⑨ You are beautiful tonight my dear
スウィートなダンスミュージック
そのためか、歌が始まるのは1分30秒経ってから
1933年1月12日録音
⑩ you are getting to be a habit with me
こちらも歌が始まるのは1分15秒
前曲と同じ日のガイ・ロンバートとの録音
テイクは2つあるようだが、どちらかまでは不明
⑪ you got me crying again
クルーナーの意味が「ささやくように歌う人」であればまさにコレ
クルーニング歌唱
1933年2月9日録音
⑫ テンプテーション
前曲に引き続きクルーニング
バックはレニー・ヘイトン・オーケストラ
そして間奏のピアノはレニー・ヘイトン
1933年10月22日録音
⑬ ディスコグラフィーを見ると、1934年2月25日録音
バックはパラマウント・オーケストラとあるけれど
ブランズウィックとなっているからサントラではないはず
⑭⑮ 映画『わが胸は高鳴る』からの2曲
⑮は何回か録音しているようだけれど
同じタイミングで録音されているのは1934年11月9日
ここからは、デッカになる
⑯ 映画『愉快なリズム』のお馴染みの主題歌
1936年7月17日録音
⑰ その1週間後の1936年7月24日には
映画『黄金の雨』の主題曲
収録はビンクロのソロ・バージョン
⑱ スイート・レイラニ 1937年2月23日録音
これ、2テイクある?
⑲ 1938年7月1日録音
⑳ 1938年10月14日録音
⑭からがデッカ録音
録音日だけで見ると空き空きの収録
1枚しか入っていないけど2枚入るケースに収納
ダイナのテイクBはここにも入ってたと確認してみると
2:45辺りのノイズの感じから同じ音源と判断
でも、ノイズリダクションが施されているのか
↑↑↑の方が随分と聴きやすい
18曲の収録はシャッフルされまくっているけれど
今回のCD20曲に全て含まれています
1993年10月9日 丸善元町店 (1,000円)
同じタイミングで上流社会のサントラ盤を購入
2枚の他にコンピレーションを4枚購入
4枚は500円
今更ながらに、ビンクロの2枚も500円にして欲しかったなぁ
☆ 改めて記録見返してみると、上流社会は違う店で購入。歩き回ってたもんな〜